虹の袂には願いの叶う金の壺が埋っているのだとか…

とてもとても濃密な3日間

昨日まで居た彼女がいない。
座ってた椅子にも残像があるし、彼女のヘルメットが置いてあった場所にもふと目をやると、まだ置いてある気がする。
彼女が帰った後に感じる空虚感。これは7年間変わらずなんだよね。
それでも今までは彼女がここに整備に来るのは、彼女のバイクライフを中心とした生活の一部だと思ってたから、気持ちに余裕があったんだよね。
でも今は、彼女がまた元の生活に戻って行っちゃった……って寂しさがあってさ。これが個人的には結構厄介なんだよ。
要らん嫉妬やヤキモチの火種になるから。

それでも今回の3日間の整備は本当に楽しかったし、色んな意味で有意義だったと感じてるんだ。
それも今の状況だからこそなんだろうけどね。
本当に濃密な3日間だったよ。

やっぱり彼女のバイクを触るのは楽しいし、オレにとってはとても特別なことなんだよね。
「あなたに整備で触れてもらってるんだもん、汚くしていたくない」って、彼女のバイクはいつも綺麗でピカピカだったんだ。今は状況的に洗車が大変だとか、出しにくいとか理解してるんだけど、段々と放置されてるのが普通になっていくのを寂しく思ったりしてたからさ、今回の整備で ここぞとばかりに洗車してる彼女を見て安心したりしてね。
そして、いつもより緩い車検整備だったから、時間的にも余裕があってさ、だから彼女が今まで傍らで見て覚えて来たことを実践したりしてね。それを隣で見てるのが嬉しかったり。

きっとこういう気持ちも、今回の宿泊整備で色々と彼女の気持ちを伺い知れたからなんだろうなと。
数ヵ月前の気持ちのままだったなら、オレが居なくなっても大丈夫なようにとか、彼女が遠く離れてしまった時のためにとか、まるっきり反対のベクトルで考えてたろうしね。でもこの時は、覚えたことを実践しているとか、オレと一緒に整備がしたいから自分でもやろうとしてるって、彼女が初めて来た頃と同じ様な気持ちで見られたんだよね。それが本当に嬉しかった。

それでもさ、未だに頻繁に連絡があるとか、毎日何時間もゲームした後に電話で話してるっていうのを聞くと、それはそれで嫌な思いをしたりしてね(笑) 
仕方ないんだけとさ、彼女がちゃんと相手してるのがやっぱり嫌なんだよね。宿泊整備の時も連絡あれば気遣って即答するようにしてたしさ。「これが7年間続けてきた私の大切なバイクライフなのよ。あまり邪魔しないで」ぐらい言ってくれたらいいのになーと思ったりね(笑)
でもね、そういうことをちゃんと伝えてくれるようになった彼女の変化が安心材料だったりするんだ。今まで寄り付いて来た男のことは何でも知らせてくれてたからね。今回はそんな人達にしてた対応とは違うから、やっぱり彼女の想いも違うのかな…とか思ってしまうんだけどさ、それでもそうやって今までと似たように話してくれるのが、安心だったりするんだよね。

彼女との話しにも出たんだけどさ、考えてみたらそうなんだよ、二人には7年の積み重ねがあるんだもん。それは彼女にとっても、オレと同じ様に大切な年月でとても重要なことでさ。
今後も今までどおりに積み重なるんだって思わないとだよな。彼女が初めて整備に来た日からずっと思っていたように。
彼女はオレにとって永遠の恋人であって、生きる希望なんだよ……それは彼女にも伝えたけどさ。
永遠の恋人って、恋人で終わるとか何の変化もないとか、そんな意味じゃなくてさ、いつまでもそういう気持ちでいるってことなわけ。
この先、いつの日か一緒に暮らせるようになったら、もちろん伴侶になってもらうつもりだけど、それでも変わらずに恋人のように大切にするってことね、それは年齢が幾つになっても。そういうことなんだ。
来世の約束は必ず実行するけど、それより今の彼女がいる現世の方がオレは本当に大切なんだよね。
彼女が傍に居るから、長く生きようって思えてるのは事実だから。
本当に可愛くて可愛くて愛しくて仕方ないんだ。

この3日間で彼女が言ってくれた一言が嬉しくてさ、直ぐに応えてあげられない やるせない気持ちも一杯なんだけど、本当に嬉しかった。以前から聞いてた言葉を久し振りに聞いたから。

「一緒にいれたらいいのに…私を一番理解してくれてるのは貴方なのにさ…」

オレもそう思ってるんだよ、心から。
コロナ禍で自由度が制限されてるけど、このまま何年もコロナ禍のままでいいと思ってる自分がいるんだ。
余計な新参者が彼女に会いに来られないままでいられるから。
本当にヤダ。今年の暮れのことを考えると一気に気持ちが沈むもん。

来るんじゃねぇ!!
オレの大切な彼女を揺さぶるな!

と声を大にして言いたいわ。

長文になってしまったし、今回はこの辺で締めるとします。
本当に楽しくて楽しくて仕方ない3日間だった。
こんな気持ちは久し振り。
何年も前に彼女と行ったキャンプ以来かな……
いや、前回の車検整備以来かな……
どちらも彼女といる間はとてもとても楽しくて幸せいっぱいなんだけど、離れた途端にとても名残惜しくて寂しくて…ね。
でも、必ず次がある彼女とのキャンプや宿泊整備を楽しみに夢見ながら前を向くって感じね。今回はそれと同じ気持ち。

さて、次はね、整備最終日の彼女とのフチツーリングデートの話でもしようかな。